畳を作る場合、一見同じに見える部屋でも一部屋一部屋サイズが違うので採寸しなければなりません。
その為、畳も一枚一枚サイズが微妙に違うので、こっちの畳とあっちの畳を入れ替えるというようなことは基本的にできません。
畳を寸法通りに作るということはもちろん重要ですが、部屋の採寸ができるということも非常に重要なことです。
特に昔は、部屋の採寸ができる職人とできない職人では給料がかなり違ったそうです。

畳一枚一枚のサイズを決めるときは部屋の中心にくる角を直角にし、そこを基準に丈、幅を決めていきます。
その際、畳の幅は畳の目の谷に縁の折り返しがくるようにします。(「目乗り」にするといいます。)

目乗り

部屋の中心にくる側は必ず目乗りにしてありますが、外側(壁側)は部屋の歪みを調整している為、目乗りになっていなかったり壁にあわせて多少曲がっています。
極端な例ですが、このような部屋の場合は畳一枚一枚がこのようになってしまいます。
このように縁が曲がって付いていると、一目で部屋が曲がっていることがわかります。

平行四辺形の部屋(通常)  目に乗っていない

しかも裏返しをすると、目に乗っていない側が部屋の中央にきてしまい、非常にみっともないことになります。

平行四辺形の部屋(通常裏返し)

このような部屋でも採寸方法によってはその歪みを目立たなくすることができます。
畳を一枚一枚曲げて作ることで目に乗るようになり、また、裏返ししても目立ちません。

平行四辺形の部屋(曲げて作る)